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電動キックボードは歩道を走れる?道路交通法に基づくルールと安全な使い方を解説

電動キックボードの人気が高まる中、「歩道も走っていいの?」という声が多くなっています。見た目はコンパクトで、スピードも控えめ。歩行者と一緒に通れるような気もしてしまうかもしれません。でも実は、この“歩道を走れるかどうか”という点については、しっかりと法律による基準が定められており、知らずに走ってしまうと違反になるケースもあるのです。

特に、2023年に改正された道路交通法では、電動キックボードに「特定小型原動機付自転車」という新しい区分が追加されました。この特定小型に該当するモデルの中でも、特定の要件を満たしている場合のみ、歩道の走行が認められるようになったのです。つまり、どんな電動キックボードでも自由に歩道を走れるわけではなく、モード切り替え・最高速度・表示灯などの複数の条件がそろっていなければいけません

また、歩道は本来歩行者のための空間であることを忘れてはいけません。安全性の観点からも、走れる車両のタイプだけでなく、周囲への配慮や走行マナーが何より大切になります。この記事では、歩道を走行できる条件、守るべきルール、安全な走行のコツ、違反時の罰則など、知っておきたいポイントを詳しく解説します。

歩道を走れるのはどんな電動キックボード?基本ルールを整理しよう

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電動キックボードの歩道走行は、車両の区分と構造によって大きく左右されます。どのモデルでも走れるわけではないので、まずは「自分の乗っている車両がどの区分にあたるか」を知ることが出発点です。

歩道走行には“特定小型”であることが条件

歩道を走れるのは、あくまで“特定小型原動機付自転車”として認定された電動キックボードのみであり、さらに“歩道モード”を搭載していることが必須条件となっています。この歩道モードは、最高速度が時速6kmに制限されており、歩行者と同等の速度での移動しか認められていません。このモードがない車両や、原付区分に該当するキックボードは、歩道を走ることは一切できません。

さらに、歩道を走行するには車両に「表示灯(緑色に点滅するライト)」が装備されていることが必要で、このライトが点滅している状態でなければ歩道走行が許可されません。これは歩行者に対して「これは特定小型モードで走行中の電動キックボードです」という視認性を高める目的があります

ケンスケ
ケンスケ
「見た目が似てるから、正直どれが歩道OKなのか分かりにくいよね」
サオリ
サオリ
「そうだね。歩道モードがあって、ちゃんと緑の点滅ライトが付いてるかが判断のポイントかな」
ケンスケ
ケンスケ
「なるほど、それがなきゃNGってことだな」

このように、走行ルールの適用範囲は単なる“形”ではなく、車両の性能や機能によって明確に区分されています。購入時やレンタル時に確認しておくことが大切です。

歩道モードの最高速度は時速6km/表示灯と構造要件に注意

“歩道モード”では、時速6kmというごく低速での走行が求められます。これは歩行者の平均的な歩くスピードに近く、すれ違いや追い越しなどの場面でも安全性を損なわないように設計されています。それ以上の速度が出てしまうと、たとえ特定小型のモデルであっても車道走行しか認められません。

また、車体サイズや重量についても制限があります。長さ190cm以下、幅60cm以下といった条件があり、これを超える大型モデルでは、特定小型としての認定が受けられず、歩道走行の対象外となります。さらに、ブレーキ・ベル・表示灯などの“保安基準”を満たしていない車両も、たとえ速度条件をクリアしていても歩道走行はできません。

このように、単に「スピードを抑えればOK」というわけではなく、構造から法的な条件まで総合的に満たしていることが求められるのです。次のセクションでは、実際に「歩道を走ってはいけない」ケースや、ルール違反のリスクについて詳しく解説していきます。

歩道走行が許される場合と禁止されるケースの具体例

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電動キックボードの歩道走行には、「特定小型原動機付自転車」としての基準を満たしているかどうかが前提となりますが、それだけではなく、「どんな状況で、どんな場所を走るのか」によっても可否が変わります。ここでは、「歩道を走っていい」パターンと「絶対にNGなケース」について、具体的に確認していきましょう。

普通のキックボードや原付モデルは歩道走行NG

見た目が似ているからといって、どんな電動キックボードでも歩道を走れると思ったら大きな間違いです。原動機付自転車に分類されるモデル(出力や速度が基準を超えるもの)は、たとえ時速6kmで走っていても歩道走行は厳禁です。また、一般的な電動キックボードであっても、歩道モードや表示灯などの条件を満たしていない車両は、歩道を走ることは許されません。

さらに、特定小型として認定された車両であっても、ナンバープレートの取り付けや自賠責保険への加入をしていない場合は、公道(歩道を含む)での走行自体が禁止されているため、違反となります。これらは「知らなかった」では済まされず、警察の取り締まり対象になることもあるので要注意です。

ケンスケ
ケンスケ
「ナンバーつけてないけど、ちょっとだけなら歩道を走っても大丈夫かな…」
サオリ
サオリ
「ダメダメ、それ完全に違反だよ。ナンバーも保険もちゃんとそろってないと、公道を走っちゃダメなんだって」
ケンスケ
ケンスケ
「うわ、軽い気持ちだったけど、それって罰則もあるやつだよね…」

安全以前に法令違反となってしまっては、せっかくの便利な乗り物も「危険な存在」として扱われてしまいます。

歩行者との共存が前提:状況次第で車道に切り替える判断も必要

歩道を走れる特定小型キックボードであっても、歩道上に多くの歩行者がいたり、混雑していたりする場合は、安全を最優先にして一時停止したり、車道側へ切り替えて走行することが推奨されます。歩道での優先順位は常に「歩行者>電動キックボード」だからです

また、横断歩道や交差点に差し掛かったときは、一時停止や左右確認など、通常の自転車と同様のマナーと注意が必要です。たとえ車両側に通行優先の条件があったとしても、歩行者が優先される場面では減速・停止を徹底することで事故を未然に防ぐことができます。

歩道走行が認められているとはいえ、「走っていい場所」=「安全に走れる場所」ではありません。安全に配慮し、状況に応じた柔軟な対応を心がけることが、社会に受け入れられるモビリティとしての信頼構築に繋がるのです

次のセクションでは、万が一ルールを守らずに歩道を走ってしまった場合の罰則や、トラブルの事例を紹介します。しっかりとルールを知り、守ることで、自分も他人も守れる乗り方を目指しましょう。

歩道走行ルール違反の罰則とトラブル事例

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電動キックボードが注目される中で、ルールを誤解したまま歩道を走行してしまい、トラブルや取り締まりの対象になるケースが増えています。とくに、「特定小型原動機付自転車」としての要件を満たしていない車両で歩道を走行する行為は、道路交通法違反として厳しく扱われ、反則金や罰金、最悪の場合は懲役刑にまで至ることもあります

法改正後も違反が多発?よくある誤解とその代償

2023年7月の法改正で、特定小型原動機付自転車が新たに制度化され、「16歳以上・免許不要・歩道走行可(条件付き)」という枠ができました。この制度は便利な反面、「すべての電動キックボードが歩道を走っていい」といった誤解を招きやすく、結果としてルール違反者が後を絶たない状況となっています

警察庁によると、法改正後の半年間で、歩道や歩行者用道路の違法走行による注意や指導は全国で数千件以上に及び、その多くは“無知”によるものとされています。たとえば、ナンバー登録をしていない、表示灯が点灯していない、歩道モードが搭載されていないといった状態で歩道を走った場合、重大な違反と見なされるのです。

ケンスケ
ケンスケ
「ついこの前、友達が普通のキックボードで歩道走ってて、警察に止められたらしいよ」
サオリ
サオリ
「あー、それよくある。本人は“スピード出してないから大丈夫”って思ってても、車両区分が違えばアウトだからね」
ケンスケ
ケンスケ
「制度のことちゃんと知らないと、罰金とかもあるんだろうな…」

違反内容によっては、反則金に加えて違反点数の加算、さらに悪質と判断されれば刑事罰に発展する可能性もあります。歩道は歩行者の安全空間であるという基本に立ち返り、決して軽視してはいけません。

反則金や懲役のリスクも…正しい知識で自分と他人を守ろう

特定小型として認定されていない電動キックボードで歩道を走行した場合、道路交通法第17条違反(歩道通行禁止違反)に該当し、最大で5万円以下の罰金が科されることがあります。また、標識に従わずに通行した場合や、歩行者との接触事故を起こした場合には、過失責任が問われ、損害賠償や傷害罪などで刑事・民事両方の責任を負う可能性もあるのです

さらに、事故を起こしてしまった場合、「歩道を走ってはいけない車両だった」という事実があるだけで、過失割合が大きく不利になり、被害者からの訴訟リスクも高まります。特に保険未加入での事故は、何十万円、何百万円という請求に発展するケースもあるため、ルール違反は“お金と信頼”を同時に失う行為になりかねません。

一方で、ルールを守ったうえで適切な場所・速度で走行していれば、電動キックボードはとても便利で環境にもやさしい乗り物です。安全装備を整え、常に周囲に配慮しながら走ることで、社会からも受け入れられる存在となっていきます。

次のセクションでは、これまでの内容を踏まえたうえで、「なぜルールが必要なのか」「なぜ守るべきなのか」を再確認し、安心して歩道を利用するための心構えをまとめていきます。モビリティの未来を支えるのは、あなたの一つひとつの正しい判断です。

まとめ:歩道を安全に走るために必要な知識と心構え

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電動キックボードは、気軽に使えてコンパクト、そして環境にもやさしい次世代のモビリティとして、多くの人々に注目されています。しかし、その便利さの一方で、「どこを走れるのか」「どんな装備が必要なのか」「歩道を走ってもいいのか」といったルールがまだ広く浸透していないのが現実です。とくに“歩道の走行可否”については、多くの誤解や思い込みが存在し、それが違反や事故の原因にもなっているのです

歩道を走れるのは、“特定小型原動機付自転車”として法的な要件を満たし、さらに“歩道モード(時速6km制限)”“表示灯(緑色点滅)”を備えたモデルだけ。それ以外の車両は、たとえゆっくり走っていても、歩道の通行は許されていません。この違いを理解せずに「みんなやってるから」と走行してしまえば、違反者となってしまうのです。

歩道はあくまで歩行者のための空間です。そこに“車両”として進入する以上、最大限の配慮とルールの順守が求められます。表示灯をつけていても、歩行者に驚かれるような速度や接近の仕方をすれば、それは「危険な存在」として見なされてしまいます。便利さと引き換えに信頼を失ってしまっては、本末転倒です。

ケンスケ
ケンスケ
「結局、“どこまでOKか”じゃなくて、“どこまで安全に配慮できるか”が大事なんだな」
サオリ
サオリ
「そうそう。ルールの上に“思いやり”があることで、初めてこの乗り物が社会に馴染むんだよね」
ケンスケ
ケンスケ
「そう聞くと、ちゃんと守って使おうって思えるな」

これからもっと電動キックボードが普及していく中で、一人ひとりのモラルと判断がその未来を左右します。「走っていい」ではなく、「走るべき場所かどうか」を自分で判断できること。それが、次世代モビリティの利用者としての責任であり、真のスマートな乗り方なのです

あなたがルールを理解し、きちんと守って電動キックボードを使えば、それは“便利な移動手段”から“社会に受け入れられる存在”へと変わっていきます。未来の歩道を、安全で快適に共有するために、今ここで正しい知識を身につけ、実行していきましょう。あなたの1台が、そのきっかけになるかもしれません。