法律

電動キックボードの最高速度は何キロ?法律で決まった制限と安全に走行するためのポイント

電動キックボードが日本でも身近な移動手段として注目を集める中で、多くの人が気になるのが「どのくらいスピードが出るのか」という点です。歩道を走っている姿を見ると「遅そう」と思う一方、車道では原付バイクのようなスピードで走っているようにも見え、「スピード出し過ぎじゃない?」と感じる人もいるでしょう。実際、電動キックボードには法令で定められた“最高速度の制限”があり、車両の区分や走行場所によってその上限が明確に定められています。

2023年の法改正によって新たに登場した「特定小型原動機付自転車」という区分では、最高速度は時速20kmに制限されています。さらに、歩道を走行するための「歩道モード」では時速6kmまでという上限が定められており、それを超えると道路交通法違反になる可能性があります。一方、従来の「原付扱い」のモデルでは、時速30kmが最高速度として設定されています。

このように、電動キックボードの最高速度は車両のタイプやモード、走行環境によって異なり、単に「速く走れるかどうか」だけで評価してはいけないのが現実です。今回は、電動キックボードの最高速度に関するルールや注意点、安全に走行するためのポイントを詳しくご紹介していきます。

電動キックボードの最高速度は何km/h?法律で定められた上限を知ろう

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電動キックボードの最高速度は、車両の種類や法律で大きく異なります。見た目が似ていても、法的な扱いが違えば出して良いスピードもまったく違います。まずはその基本的なルールをしっかりと押さえておくことが大切です。

特定小型原動機付自転車の上限は時速20kmまで

2023年の法改正で導入された「特定小型原動機付自転車」では、最高速度が時速20kmと定められています。この速度は、公道での安全性を確保するために設定されており、歩行者や自転車との接触事故を防ぐために、あえてスピードを抑えることを前提とした制度設計になっています

この区分に該当するためには、車体の大きさや出力、保安部品の装備など、細かい条件を満たす必要があります。その条件を満たし、行政機関に登録し、ナンバープレートを取得したうえで、公道を走行することが可能になります。ただし、この速度を1kmでも超えれば、制度の対象外となり、原付としてのルールが適用されてしまうことにもなりかねません

ケンスケ
ケンスケ
「20kmってちょっと遅い気もするけど、事故のこと考えたら納得かな」
サオリ
サオリ
「そうだね。スピードを出すことより、ちゃんと止まれることの方が大事だし」
ケンスケ
ケンスケ
「確かに、歩行者とぶつかったら20kmでもケガさせちゃうよね」

このように、速度制限には安全性と社会的受容性のバランスが取られており、「速く走る」より「安全に走る」ことを優先して制度設計がされています。

原付扱いの電動キックボードは時速30kmまで許可

一方で、特定小型の条件を満たしていない電動キックボード、つまり原動機付自転車(原付)に該当するモデルでは、最高速度は時速30kmまで認められています。こちらは従来の原付と同様の扱いとなるため、運転免許の取得やヘルメットの着用、自賠責保険の加入などがすべて義務になります。

この速度での走行には、ブレーキ性能や反応時間、安全な道路環境の整備が求められるため、原付としての交通ルールを理解していないと、事故のリスクが高まります。見た目が特定小型と似ているだけに、利用者が混同しやすいのも注意すべき点です。

モード別の速度切替と歩道・車道での制限の違いを理解しよう

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電動キックボードには、走行モードを切り替えることで速度を制御できるタイプも存在します。特に「歩道モード」や「ノーマルモード」など、走行環境に応じた設定が可能なモデルが増えており、それぞれの上限速度とルールを理解しておく必要があります。

歩道モードでは最高6km/hまで|歩行者との共存が前提

特定小型原動機付自転車の中でも、歩道を走行できるのは「歩道モード」を搭載した車両に限られます。この歩道モードでは、最高速度が時速6kmに制限されており、歩行者と同じ速度で移動することで、安心して共存できる環境をつくることが目的です

この6km/hという数字は、一般的な成人が歩くスピードとほぼ同じ。つまり、「追い越す」「避ける」ではなく「ともに歩く」感覚での走行が求められているということです。また、歩道でのベルの使用は禁止されており、スピードでアピールするのではなく、徐行と配慮を基本とした運転が必要になります。

速度オーバーはもちろんNGですが、そもそも歩道モードを搭載していない車体では歩道走行自体が禁止されており、違反すれば罰金や懲役が科されることもあります。

車道モードでは速度上限20km|走行位置にも注意

車道を走行する際には、通常の「ノーマルモード」に切り替えて走ることが可能です。このときの最高速度は時速20kmですが、通行帯の選び方や左側通行の順守など、通常の自転車やバイクと同じ交通ルールが適用されるため、基本的な交通知識が必要不可欠です

特に注意したいのは「逆走」や「歩道のつまみ走り」など、ルール外の走行です。こうした行為は交通事故を誘発するだけでなく、他の歩行者や車両に迷惑をかけるリスクもあり、取り締まりの対象になります。速度が制限されていても、安全な運転操作が伴わなければ本末転倒です。

次のセクションでは、モデルによって異なる最高速度や性能差について、より具体的に掘り下げていきます。車両スペックの違いが、どのように速度と関係してくるのかを理解しておくことも、安全運転には欠かせない要素です。

モデルによって違う最高速度の実態|スペックの見方と注意点

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電動キックボードとひとくちに言っても、実際にはさまざまなメーカーやモデルが存在し、そのスペックや性能も大きく異なります。「特定小型原動機付自転車」として登録できるかどうかも、搭載されているモーターの出力やバッテリー容量、制御システムの精度などに深く関係しています。見た目では同じように見える車体でも、速度の出方や対応する道路区分がまったく違うということも珍しくありません。

モーター出力とバッテリー性能が速度に直結する理由

電動キックボードの最高速度を決定づける要因の一つが「モーター出力」です。一般的には出力が高ければ高いほどスピードが出せる仕様となっており、出力の上限(定格出力0.6kW未満)を超えると、「特定小型」ではなく原付扱いになるため、法的な制限や義務が一気に厳しくなります

さらに、バッテリーの電圧や容量も重要なポイントです。大容量のバッテリーを積んだモデルは、速度を維持しやすく航続距離も長くなりますが、速度制御機能が不十分な場合には法定速度を超える恐れもあるため注意が必要です。特に、海外製のモデルは日本の法規に準拠していない場合があり、そのまま公道で走ると違法となるケースもあります

ケンスケ
ケンスケ
「バッテリーが大きければ速いって思ってたけど、逆にアウトになることもあるんだね」
サオリ
サオリ
「そうだよ。速度や出力って、実は法律でかなり厳しく決められてるから、速さだけで選ぶのは危険なんだよ」
ケンスケ
ケンスケ
「買う前にちゃんと“日本の法対応”って書いてあるか確認しないとだね」

カタログや販売ページに記載された「最高速度」の数字だけを見て判断するのではなく、仕様の根拠や法的な区分との関係をしっかりと読み解く目を養うことが、安全で合法的な利用には欠かせません。

改造やチューニングによる速度違反のリスク

一部のユーザーの中には、「もっと速く走りたい」「坂道でも力強く進みたい」という理由から、市販の電動キックボードを改造・チューニングして使うケースも見られます。しかし、このような改造は法的には非常にリスクが高く、最高速度が20km/hを超えてしまうと、特定小型の枠を逸脱し、無免許運転や無保険走行などの違反に該当する可能性があります

さらに、車体の構造や制御システムはあらかじめ緻密に設計されているため、勝手な改造によってブレーキ性能が劣化したり、モーターが過熱するなどの危険性も否定できません。スピードを上げることで得られる快適さよりも、それに伴う法的リスクや事故のリスクのほうが大きいことを忘れてはいけません。

仮に事故を起こした場合、改造された車両は保険の対象外となることもあり、損害賠償の全額を自己負担する可能性すらあります。安全第一、法令順守が、電動キックボードを楽しむための基本中の基本です。

速度違反による罰則や事故のリスクに注意しよう

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電動キックボードは、たとえ最高速度が20km/hであっても、速度を誤って扱えば大きな事故につながる可能性があります。法律上は「車両」として扱われているため、制限速度を守らなかった場合には、自動車や原付と同じように厳しい罰則が科されることもあるのです。

速度超過がもたらす法律上のリスクと罰則内容

特定小型原動機付自転車として認められている電動キックボードであっても、時速20kmを超えて走行した場合、その車体は法的に「特定小型」ではなくなります。つまり、無免許運転や無保険走行、ナンバー未登録など、複数の交通違反が一気に重なる形になり、最大で懲役1年または50万円以下の罰金が科されることもあります

また、信号無視や一時停止無視などと同じように、速度違反も取り締まりの対象であり、最近では警察による取締強化が各地で進められています。特に通学路や商店街、歩道近くの道路では、速度違反による事故が社会問題化しつつあり、厳しく対処される傾向にあります。

ケンスケ
ケンスケ
「電動キックボードでスピード違反って、バイクと同じくらい重いんだね…」
サオリ
サオリ
「うん、たかが数キロオーバーでも、扱いが変わっちゃうんだよ。気をつけないと怖いよ」
ケンスケ
ケンスケ
「もっと軽く見てたから、ちゃんと法令チェックしなきゃだな」

速度を守ることは、事故を防ぐだけでなく、自分自身が「交通社会の一員」であるという責任を果たすことにもつながります。

事故時の責任と補償問題への備え

電動キックボードによる事故で最も懸念されるのが、歩行者との接触による人身事故です。スピードが出ている状態で衝突すれば、高齢者や子どもは重大なケガを負う危険性があり、その責任はすべて加害者である運転者にのしかかってきます

さらに、特定小型の条件を逸脱した速度での走行だった場合、自賠責保険や任意保険の補償対象外とされるリスクもあり、結果的に高額な賠償を個人で負うことになります。こうしたリスクを避けるためにも、速度制限を守ることは絶対に欠かせない行動です。

次のセクションでは、電動キックボードの最高速度に関するまとめとして、安全に利用するために大切な意識と行動についてお伝えします。最高速度の“正しい理解”が、安心して楽しむモビリティライフのカギとなります。

まとめ:電動キックボードの最高速度を正しく理解して安全に楽しもう

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電動キックボードは、都市の新しい移動手段として注目されている便利でスマートなモビリティですが、その「最高速度」については法律によって厳格に定められており、ルールを守らない利用は重大な事故や法的トラブルにつながる可能性があります。速度制限があるのは「遅いから不便」ではなく、「誰もが安全に使える社会をつくるため」の前提条件なのです。

特定小型原動機付自転車では最高速度は時速20km、歩道モードでは時速6kmと定められており、これらの制限を守ることで初めて「免許不要」「ヘルメット努力義務」「歩道走行可」などの恩恵が受けられる仕組みになっています。制限速度を少しでも超えることで、それらの特例が一気に無効になり、原付と同じように免許や装備、保険の義務が発生することになります。

また、スピードの出しすぎによって事故が発生した場合、たとえ自分に過失がないように思えても、保険の適用外や重過失扱いになってしまうケースもあり、法的にも経済的にも大きな負担を背負うリスクがあります。電動キックボードの利用は「速く走る」ためではなく、「快適かつ安全に移動する」ことを目的に設計されたものです。

ケンスケ
ケンスケ
「スピードって魅力的だけど、そのぶんリスクも跳ね上がるってことなんだよね」
サオリ
サオリ
「うん、だからこそ“自分が出せる速さ”じゃなくて、“出していい速さ”を守るのが大事なんだよ」
ケンスケ
ケンスケ
「なるほど…気をつけるって、自分だけじゃなくて、周りを守ることにもなるんだな」

これから電動キックボードを使おうと思っている人、すでに使っている人、どちらにとっても、「最高速度」というルールはただの数字ではありません。それは、未来の交通社会において一人ひとりが安心して移動できる環境をつくるための“約束”なのです。

安全な速度を守ることが、事故のない社会をつくり、自分自身を守る最善の方法です。気持ちよく風を感じながら走るその一歩を、正しい知識とルールの上に乗せて、これからの移動の自由を楽しんでいきましょう。